油絵修復の必要性の原因

高温多湿の日本の風土の影響もあり、 ビルや一般家庭で常温の調節もまま ならず永い間の自然環境による劣化 現象が一般的ですが、人為的ミスによる 場合も意外とあるのです。戦後のインフレ 経済は投資対象に絵画をも扱うように なり、売れなかった画家達も人気の高い 人に集中され、需要と共に日夜制作に 追われるようになったのです。当然 仕上げを急ぐため、えのぐの乾燥液を 使用するのですが使用量の誤りによる 後遺症が多発しているのです。画面の 亀裂や剥離剥落の現象です。 又、キャンバス裏より指圧による衝撃等も、 余り知られていない破損ミスの現象と して大きな原因と言えます。 何れにしても折角の作品を不用意な 取扱いによって起きる事故に一層の 注意を心掛けることが肝要です。

アートプランニング北山
北山 達哉