創造の軌跡

「いのり」の心を作品へ宿して

私の画歴は約半世紀程になるが、若いうちはいろんな作家の考えや作風に大きく影響を受けがむしゃらに描いてきた。
その後は現代社会を取り巻く不安感や恐怖感を「強迫観念」「無言歌」で、環境問題については「水面下からの視線」で、そして大震災や津波など抗うことのできない自然災害に対する復興への祈りなど自身では何も行動出来ない歯痒さの心情を込めて作品を描き続けてきた。
最近は「いのり」の心を仏像等に託して作品制作を続けている。
その奇跡をご覧ください。

「いのり」の心を作品へ宿して

私の画歴は約半世紀程になるが、若いうちはいろんな作家の考えや作風に大きく影響を受けがむしゃらに描いてきた。
その後は現代社会を取り巻く不安感や恐怖感を「強迫観念」「無言歌」で、環境問題については「水面下からの視線」で、そして大震災や津波など抗うことのできない自然災害に対する復興への祈りなど自身では何も行動出来ない歯痒さの心情を込めて作品を描き続けてきた。
最近は「いのり」の心を仏像等に託して作品制作を続けている。
その奇跡をご覧ください。

ダイモン・スクリーチからのメッセージ

鈴木源二は驚くべきオリジナリティーを持った作品を生み出す画家である。表現法は写実でありながら、それを創造力豊かに組み合わせて制作する。作品の多くは知的で象徴性に富んだ印象だ。視る者にその真意を探らせているようでもある。題名も意識的に付けられたものであろう。一見当惑させるようでなかなか面白い。
根本的なところで、彼の創作は平和、人類の相互尊重、そして環境に関するものであると言う。鈴木の本業は獣医であった。おそらくは作品では、物事に対する医学的な関心も表明されているのではないだろうか。つまり部分がどのように全体との関係を結ぶか。様々な問題を通じてこのメッセージを伝えようとしているように見える。我々が作品に見るのは、古の仏像や自動車の姿、そして常に作品の主要な描写対象は、なんらかの変化や解体を伴っている。外部世界に向かって破裂していきながら、その本当の姿を見せているようにである。
鈴木の使うアクリル絵具は、強く鮮烈な色彩を放つ顔料である。彼はこれを十分に活かしながらも、赤系統や青系統など、色の系統は単色に抑えている。しかしそこに合成されている色は、見たこともないウルトラマリンやオレンジ・ピンクなのである。

ダイモン・スクリーチ
Timon Screech

ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院教授
日本近世文化・美術専攻

1985年オックスフォード大学東洋学専攻卒業
1991年ハーヴァード大学で博士号取得
以後SOAS研究員をへて教授
このシカゴ大学客員教授
学習院大学、早稲田大学で研究員教授
多摩美術大学客員教授を歴任